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チタン合金 「GUMMETAL」が開発された目的とは?
ゴムメタルの特長とは
まず、ゴムメタルの特許には ’ 弾性率が低く、かつ強度が高いこと ’ が、最大の特長として掲げられています。
弾性率が低い為、小さな力で変形することができ、かつ強度が高い為、‘ しなやかな ’ 性質を発揮します。このような低弾性率と高強度を併せ持つ材料は世の中にありませんでした。
例えば、鉄は強度が高いですが、簡単に曲げることが難しい性質を持っています。また、アルミニウムは柔らかく、鉄に比べ、簡単に曲げることが可能ですが、強度が低いので、曲がったままで元に戻りません(変形)。これらに対して、ゴムメタルは柔らかくて強いという相反する性質を、同時に実現した新しいチタン合金です。
ゴムメタルの弾性率は、日常で使われているステンレス鋼の約1/5で、強度は約2倍もあります。
ゴムメタルの応用
更に、どのような応用を考えてこのような性質の材料が開発されたのでしょうか。
例えば、バネ定数が等しいコイルスプリングを作る場合、弾性率が低ければ、その分だけ巻き数が少なくて済みます。
ゴムメタルは弾性率が鋼の約1/5ですので、1/5の巻き数で鋼と同じバネ定数の軽量あるいはコンパクトなスプリングが出来ることになります。
もう一つの典型的な応用は、医療における人工骨です。
人工骨には従来チタンが使われていますが、その弾性率は人間の骨の弾性率の5倍近くあります。
しかし、人工骨には人間の骨と同等の弾性率を有する材料が好適なのです。
その点、ゴムメタルは人間の骨に近い低弾性率で、しかも強度が高く、しなやかな特長があり、その上、生体アレルギーを起こすような成分を全く含んでいない合金設計がなされているのです。