チタン素材の特性と表面加工の重要性
チタンは密度約4.5g/cm³と鉄の約60%の軽さでありながら、高い比強度と優れた耐食性を兼ね備えた金属素材です。航空宇宙、医療機器、自動車部品など幅広い分野で採用されており、近年ではデザイン性を求められるフレーム部品などにもチタン素材が選ばれるケースが増えています。
チタン上に各種メッキ・電着塗装や染色加工等を行っております。
チタン上のメッキには、近年ニッケルアレルギーなどに対応できるよう、チタン上にニッケルを一切含まないメッキ処理を独自に開発し、更に電着塗装などを使用しファッションに対応したカラー商品を提供いたします。
電着塗装とは、電解処理により塗膜を加工する方法で、均一な塗膜が得られるのが特徴です。カラーバリエーションは下地メッキと各色電着塗装の組み合わせにより、多種ご用意しております。

シャーリング加工とメッキ処理によるチタン加工の工程
本事例では、チタン合金素材にまずメッキ加工を施し、その後シャーリング加工を行っています。シャーリングとは、上下の刃で金属板を挟み込んで直線的にせん断する加工方法で、板材の切断工程として広く用いられる技術です。
チタン素材は弾性が高くスプリングバックが発生しやすいため、シャーリング加工時には刃のクリアランスや切断速度の調整が重要になります。また、メッキ加工済みの素材に対してシャーリングを行う場合、切断面のメッキ層への影響を最小限に抑える配慮も必要です。
チタン加工においては、工程の順序や条件設定が最終的な製品品質を大きく左右するため、各工程間の整合性を十分に検討することが求められます。
電着塗装によるチタンフレームの均一な塗膜形成
シャーリング加工後の工程として、電着塗装が施されています。電着塗装とは、水溶性の塗料を満たした槽に被塗物を浸漬し、電気的な作用によって塗料粒子を被塗物表面に付着させる塗装方法です。この方法の最大の特長は、複雑な形状の部品であっても均一な膜厚の塗膜を形成できる点にあります。
一般的にスプレー塗装では届きにくい袋状の部分や入り組んだ箇所にも均等に塗料が回り込むため、フレーム部品のような立体的な構造物に対して非常に有効です。チタン素材は表面に強固な酸化被膜を形成する性質があるため、電着塗装の前処理として適切な脱脂や化成処理を行うことが密着性を確保するうえで不可欠です。
チタン加工製品の用途と品質管理のポイント
電着塗装を施したチタンフレームは、軽量性・耐食性・美観を同時に実現できるため、さまざまな産業分野での活用が期待されます。一般的には、自動車や二輪車の外装フレーム、電子機器の筐体、建築用装飾部材などに採用される場面が多いとされています。
チタン精密加工における品質管理では、塗膜の膜厚均一性、密着強度、耐食性試験などが重要な評価項目となります。また、メッキ層とチタン素材の界面における電位差による腐食リスクにも注意が必要です。このように、チタン素材の持つ優れた物性を活かしつつ、シャーリング・メッキ・電着塗装といった複数の加工技術を組み合わせることで、高機能かつ高品質なチタン加工製品を実現することが可能になります。