チタンは軽量かつ高強度、さらに優れた耐食性を持つことから、航空宇宙・医療・自動車など幅広い分野で採用が進んでいる素材です。しかしチタン素材は難削材として知られ、切削加工では工具の摩耗が激しく、加工コストが高くなりやすいという課題があります。
こうしたチタン加工特有の問題を解決する手法のひとつとして、近年注目を集めているのが「フォームローリング(成形転造)」による微細精密加工です。
フォームローリングとは、転造ダイスと呼ばれる専用の金型を用いて素材を塑性変形させる成形転造工法です。切削加工のように刃物で材料を削り取るのではなく、強い圧力をかけて素材そのものの形状を変化させるため、加工時に切粉(切りくず)が発生しません。
これはチタン加工において非常に大きなメリットとなります。チタンの切粉は発火リスクがあるため取り扱いに注意が必要ですが、フォームローリングではそうしたリスクを根本から排除できます。さらに、連続加工が可能なため、切削加工と比べて安定した寸法精度を確保しやすく、チタン精密加工が求められる微細部品の量産にも適しています。
従来は切削で対応していた微細精密部品を、このフォームローリング工法に置き換えることで、大幅なコストダウンを実現しています。
チタン素材をフォームローリングで加工するもうひとつの利点は、素材の機械的特性を向上させられる点です。塑性変形によって金属組織の繊維流れ(ファイバーフロー)が途切れずに維持されるため、切削加工品と比較して強度や耐久性が高まる傾向があります。
特にチタン製の小型シャフトやネジ、ピンといった微細部品では、この特性が製品寿命の向上に直結します。また、表面粗さも切削加工より良好な仕上がりが得られるケースが多く、後工程の研磨や表面処理を簡略化できることもコスト面での優位性につながっています。
このようなチタン加工におけるフォームローリング技術は、医療用インプラント部品や精密機器向けの微小コネクタピン、航空機用ファスナーなど、高い寸法精度と信頼性が求められる用途で活用されています。チタン精密加工においてコストと品質の両立が課題となっている場合、切削加工からフォームローリングへの工法転換は非常に有効な選択肢です。
低コスト化のご要望やチタン素材の加工に関するお悩みがございましたら、ぜひ一度ご相談ください。豊富な加工実績をもとに、最適な工法と条件をご提案いたします。
